Posted on 4月 7, 2010 in お知らせ

銀閣寺の近くの哲学の道にお花見に行ってきました。
今年は寒い日が続いたせいか、桜が全然散らずに本当にキレイです。

この日は哲学の道散策の集いという催しが行われていました。
祖父であり、疎水白川を美しくする会 会長の堀尾貞太郎の挨拶を聞いたのですが、この綺麗な桜と川が如何にしてあるのか。
いつも漫然と川と桜を見ていた私には衝撃的な内容だったので、許可を得て一部掲載させていただきます。
音声はこちらからどうぞ!

哲学の道の桜

(挨拶 前略)

この川のように見えるのは琵琶湖疎水です。水源の琵琶湖から三井寺をこえて、山科をこえて、南禅寺のトンネルを抜けてやっとここへ出てきます。そしてこの川は京都の中で唯一、南から北へ流れる川です。

京都は地勢上、北が高くて南が低いのですが、その地勢に反対してこの川が南から北へ流れるというのは、明治の24年に京都から東京に人を奪われて、「何か記念事業を!」ということで、雄大な企画で、明治の先人が作っていただいた立派な機構です。

琵琶湖の水が何段にもおちて蹴上のインクラインを下ってここまで流れてくるということは、今の時代でも相当難事業だと思いますけれども、明治の二十年代にこの事業をされた先輩の方々の気持ちというものは、まことに強烈な精神力であったと存じております。

明治から今までの150年。ずっとこの川が松ヶ崎まで流れているのですが、昔は本当にひなびた場所でございました。
通る人もまばらで今この縁に三百数十本の桜が若王子から銀閣寺の間に植えられておりますけれども、この桜の並木の基をつくられたのは有名な絵描きの橋本関雪さんでございます。

植えられた木がもうすでに60年、70年たってるわけでございまして、もうぼつぼつと年齢が尽きて枯れはじめております。
疎水事務所がせんぐり新しい苗木を植えて補給されていますけれども、この素晴しい桜並木を保持するために我々が37年間哲学の道散策の集いを催してきました。その気持ちを私たちの子孫までずっと続けていつまでも保持していただきたいと存じております。

37回の間には雨の日もありましたし、花もまだ蕾で咲いていない時もありました。花が散った後で雨降りという惨憺たる催しの日もございましたけど、ここ二、三年は満開で快晴でございました。今年も本当に快晴で、この満開の三百数十本の桜の下、日本全国から集まられた観光客のお方に鑑賞していただけるということはまことに晴れがましいことでございます。
この催しが永久に続きますように我々は願って奉仕しているわけでございます。

後略

 

目の前の静かに流れている川が、実は京都という地勢に反発するかのように強い意志を持って北へ流れているんだという事実に強い衝撃を受けました。
そしてそれは先輩方が京都に残して下さった立派なもので、美しく保持したいと活動される姿にも心打たれました。

当たり前のようにあるものは、当たり前にあるのではなくて、誰かの思いが何らかの力となって、そしてそれが継続して、今は当たり前にあるようになることをとても新鮮に思いました。目の前の誰かに感謝するということは簡単ですが、京都で生活しているものとして、京都を愛した先人に感謝するという視点をもつということは大事だなぁと勉強になりました。

最後に哲学の道散策におすすめおやつです。
大石銀泉堂の”手焼き八つ橋”の袋入り。

大石銀泉堂の”手焼き八つ橋”の袋入り

 

大石銀泉堂の”手焼き八つ橋”の袋入り柔らかい生八つ橋ではなくて、ぱりぱりに焼いてある八つ橋です。
ニッキの香ばしい感じがやみつきになってしまいます。
(原材料表示もシンプルで、ものすごくステキです★)
焼き菓子ですので、道中持ち歩いても大丈夫!
哲学の道に来られたら一度お試しくださいね。