研究の軌跡を未来へつなぐウェブサイト制作
先日、北海道大学 観光学高等研究センター 教授
西山徳明先生の最終講義を拝聴する機会をいただきました。
講義は、先生が学生時代に沖縄・竹富島を訪れたときのエピソードから始まりました。
海が好きで泳ぎに訪れていた竹富島で、偶然現地調査をされていた教員の方と出会われたことが、研究者としての道を志すきっかけになったそうです。
「こんな美しい場所で研究ができる研究室があるなら。」
その思いから研究の道へ進まれ、その後、日本をはじめ世界各地で地域研究やまちづくりに携わり、多くの研究者や地域の方々と協働しながら活動を続けてこられました。
講義を通して強く感じたのは、
西山先生が人とのつながりを大切にしながら研究を進めてこられたということでした。
ご縁の始まり
私たちフェアーウィンドが西山先生と初めてお会いしたのは、
京都嵯峨芸術大学で教授をされていた 真板昭夫先生 にご紹介いただいたことがきっかけでした。
当時、真板先生が北海道大学 観光学高等研究センターに着任された際にご縁をいただき、北海道で初めて西山先生にお会いしました。
その際に伺ったのが、
地域全体を博物館として捉える「エコミュージアム」思想でした。
建物としての博物館をつくるのではなく、
地域の自然や文化、暮らしそのものを含めて
地域全体を博物館として捉えるという考え方です。
そのスケールの大きさに触れ、
世界にはこのような視点で地域研究をされている方がいるのかと、
深い感銘を受けたことを覚えています。
研究の軌跡を残すウェブサイト
今回フェアーウィンドでは、
西山先生の研究活動をまとめたウェブサイトのリニューアルを担当させていただきました。
このサイトは、先生がこれまで関わってこられた
数十年にわたる研究プロジェクトのアーカイブサイトとして制作したものです。
膨大な研究活動を整理するために
・プロジェクトを 8つの研究テーマに分類
・タグによる小分類
・日本および海外の地図から事例へアクセスできる構造
などの情報設計を行いました。
また今回のサイトは
日本語と英語によるバイリンガルサイトとして構築しています。
西山先生の研究は海外にも広く関わりがあるため、
世界中の研究者や地域関係者がアクセスできる形を目指しました。
▶ 西山徳明先生 研究アーカイブサイト
https://nishiyama-noriaki.com/
圧倒的な委員歴
サイト制作の過程で特に驚かされたのが、
先生の委員歴の多さでした。
政府機関、自治体、研究組織など、
本当に多方面にわたる役職を歴任されており、
その量はまさに圧巻です。
北海道でお会いした際も、先生は分単位で移動されており、
なかなかお話しする時間を取ることも難しいほどでした。
今回改めて整理させていただく中で、
その活動の広さと深さに改めて驚かされました。
観光と文化保存
先生の研究の中でも印象的なのが、
観光と文化保存のバランスに対する視点です。
観光客に迎合するだけではなく
何を残すべきなのか。
という問いを常に持ちながら、
地域文化の保存や調査を進めてこられました。
世界遺産登録に関する調査にも携わられ、
フィジーの文化遺産が世界遺産登録に至った事例なども紹介されました。
最終講義の動画
西山先生の最終講義は、YouTubeで公開されています。
エコミュージアムの思想や、世界各地でのまちづくり研究の歩みについて、先生ご自身の言葉で語られています。
ぜひご覧ください。
▶ 西山徳明教授 最終講義
「日本のまちづくりを世界へ ― エコミュージアムとデスティネーション・マネジメント」
https://www.youtube.com/watch?v=LGkhPuPFHUU
研究を未来へつなぐデザイン
今回の最終講義では、
制作させていただいたウェブサイトもご紹介いただきました。
先生は
「まだ掲載できていないプロジェクトが多く、これから追加していきたい」
とお話しされていました。
研究という営みは、
成果そのものだけでなく、
その過程や蓄積を未来に伝えていくことにも大きな意味があります。
その記録を整理し、
多くの人がアクセスできる形にすること。
それもまた、デザインの重要な役割の一つだと感じています。
このような貴重なプロジェクトに関わらせていただき、
大変光栄でした。
西山先生のこれからのご活躍を、
心よりお祈り申し上げます。
Project Information
Client
西山徳明先生
Website
https://nishiyama-noriaki.com/
Language
Japanese / English
Direction & Design
Fairwind
