Posted on 9月 8, 2020 in Director’s Profile

Tradewind からFairwind 
1979年に始めたお店「トレードウインド」は、エディーバウアーの正規輸入販売業だった。
店名のトレードウインドは「貿易風に乗って新しい商品を日本に」という願いを込めたもの。
(ネーミングは、友人の洋画家 池田良則君の助言)
世界で初めてダウンを製造したアウトドア・ブランド、エディーバウアの輸入販売は、多くの人たちとの出会いをもたらしてくれた。

遠くは東京や広島、大阪から駆けつけてくれたエディーバウアー・ファンの中には、若いクリエーター、デザイナー、著名な経営者、放送局関係者、業界関係者、輸入代理店など多数がいた。
1983年に株式会社フェアーウインドを設立、社名は貿易風が「順風」に乗るという意味を込め名付けた。業務はトレードウインドで知り合った多くの方々のご縁をいただきデザインの重要性を柱にしてスタート。

JAMAICA Kingston  1989
1989年の初め、オーバーヒートの石井志津男氏から誘われ、ジャマイカはキングストンへ渡航。「巨大ハリケーンで多大な被害を受けたジャマイカにエイドを!」というスローガンのもとに開催されたチャリティコンサート”GIFT FOR JAMAICA”で集まった募金を届ける旅に同行。現地有力者とジャマイカ政府関係者に会い、日本からの募金を手渡したことが、翌日の新聞に写真入りで大きく掲載された。
ジャマイカといえばレゲエ。石井さん直々の案内で歴史的なChannel1スタジオやボブ・マーリィの作ったタフゴング・スタジオを訪問。レゲエ草創期から活躍するGladstone Anderson、ジャマイカの国民的シンガーGregory Isaac、日本にも数度の来日しているMighty Diamondsなど多数の人気アーティストに遭遇。中でも1994年に全米ビルボードチャート1位をとるIni Kamozeにも会った。現地語は「patois」と呼ばれるジャマイカン・イングリッシュ、意味不明の洗礼を受けた。

タフゴング・スタジオでは伝説のアルバム『Caribbean Breeze』 Gladstone Andersonの夜を徹してのレコーデイングに立会い、超一流のミュージシャンたちの演奏を間近で聴けたのは圧巻だった。

広告デザイン制作  家庭画報連載広告
抹茶缶デザインのコンペがあり、オーバーヒート石井志津男氏に依頼。
デザインが採用されたのを受け、その新商品を宣伝するポスター、雑誌広告を制作。

制作:株式会社フェアーウインド   デイレクター:石井志津男氏 イラスト:ペーター佐藤氏 デザイン:明石泰一氏 コピー:吉田薫氏  CL:株式会社小山元次郎商店
1987年~1993年

ある年の正月、アーノルドシュワルツネッガーが袴姿で茶釜から柄杓でお湯を汲み、カップヌードルにお湯を入れるというテレビコマーシャルが流れた。伝統文化、とりわけ茶道が若者から敬遠されていた時代に、カップヌードルと茶道という取り合わせは、あまりにも突然で唖然としたが、カップヌードルが伝統文化、茶道を取り入れてくれたことに対して、私たちが展開している連載広告は間違っていない!更なる広がりを期待できる?やった!!!という気持ちにもなったことを覚えている。

1991年サント産業本社 
京都サント産業株式会社の新社屋建築プロデュース
オーバーヒートの石井志津男氏の紹介を受け、建築家北川原温氏に設計を依頼。
京都市山科区に完成した建築家北川原温氏による京都初の社屋は大きな話題になった。
1992-4AUTUMN 季刊新建築ATUSHI KITAGAWARAに
サント産業本社が9ページにわたって紹介され、ヨーロッパオランダから出版された建築本でも高い評価を受けた。

1992-4AUTUMN 季刊新建築ATUSHI KITAGAWARAより


1992-4AUTUMN 季刊新建築ATUSHI KITAGAWARAより


1992-4AUTUMN 季刊新建築ATUSHI KITAGAWARAより

PHOTOGRAPHIC WORKS 禅ーMEDITATION OF TAKAO INOUE    New York   SOHO
1991年9月、ニューヨーク、CAST IRON GALLERYで開催された井上隆雄先生海外初の個展を訪問。


会場には瀧脇典世先生のサンスクリット「慈功徳経」メッタスッタニパータ
その上に・・・。
PHOTOGRAPHIC WORKS
禅ーMEDITATION OF TAKAO INOUE

ZEN : The Oneness Of Man and Nature.
Zen is a form of active training in Buddhism and, in Japan, its spirit is reflected in various fields of art, including such”Living “art forms as the Way of Tea and Noh.
In almost every aspect of Japan’s spiritual culture, there dwells the influence of Zen.
The images presented in this exhibition, Zen Meditation of Takao Inoue seems to take one beyond the world of the Into the world of “KU” or “emptiness”.
The ultra mandala spiritual universe of Zen.
As a personal Zen exercise, Inoue bares himself to nature, and as he treats free of all preconceptions regarding color and form, each photograph archives as a fresh visual experiment.

OSAMU UENO
Friend of Takao Inoue

画廊のオーナーに、MOMAのキュレータにみていただくように助言をさせていただいた。
後日、この作品展につて高い評価をしたキュレーターの記事がCAST IRON GALLERYから送られてきた。


茶道写真に新風を吹き込まれた写真家井上隆雄先生とグラッフィックデザイナー甲斐玲子氏等、茶道の精神性をテーマに発信した京都からのメッセージは、茶道関係者、広告制作関係者はもとより海外からも高い評価を受けた。
家庭画報連載広告   制作:株式会社フェアーウインド    写真:井上隆雄氏  デザイン:甲斐玲子氏  CL:丸久小山園
1994年〜2004

京佃煮製造販売会社  総合プロデュース  
株式会社フェアーウインド CL: 五條長兵衛
店舗デザイン、各種パンフレット、パッケージデザイン、杉樽、包財、包装紙、手提デザイン、ホームページ制作、等
ファサード・ショーケースデザイン: 杉木源三
グラフィックデザイン・提灯ロゴデザイン: 甲斐玲子
墨絵: 斉藤南北   クリエイティブディレクション: 上野修
1994年

「京鹿の子絞り」展示会、大徳寺塔頭 総見院での呈茶席、京都コンサートホールでのコンサートの夕べ
宅間久翁会長から指名を受け、フェアーウインド 上野修が大徳寺方丈での「京鹿の子絞り」展示会、大徳寺塔頭 総見院での呈茶席、
京都コンサートホールでのコンサートの夕べ 、の総合プロデュースを担当。
京鹿の子絞り展 於:大徳寺方丈 呈茶席:大徳寺塔頭 総見院 コンサートの夕べ :京都コンサートホール  (CL: 宅間久翁)
1996年2月

京鹿の子絞り展 於:大徳寺方丈
賛助出品:瀧脇典世氏、谷中和生氏 題字:甲斐玲子
会場デザイン:杉木源三氏
ビデオ「京鹿の子絞り」ビデオ撮影・編集:森公一氏

能舞台「石橋」記念演奏会 於:京都コンサートホール 出演:片山九郎右衛門氏 片山清司氏  於:京都コンサートホール
京都コンサートホールが一般に開放されていなかった1996年2月、3階村田ホールで記念演奏会コンサートの夕べ を開催。
京響選抜アンサンブルによる記念コンサートに引き続き、シテ方観世流能楽師の片山九郎右衛門氏と長男、片山清司氏との親子の共演は圧巻だった。

2000年7月 長刀鉾 禿に選ばれる。
宅間久翁会長の推薦で、長男修宏8歳が 長刀鉾 禿に選ばれる。
長男上野修宏(のぶあつ)の後見人として上野聡司も1ヶ月にわたり祇園祭の御神事にご奉仕。

 

兼平禮輔先生のご指導をいただき、滝脇光先生の作品集を作らせていただいたのがきっかけになり、大学案内を含む学校案内制作のお声がけをいただけるように。
京都光華女子大学:裏千家 和泉政和宗匠  巻頭特集対談「こころと文化」を実施。於:東本願寺 枳殻邸茶室  CL : 大広京都



イメージキャラクターをメインビジュアルに関係各校の学校案内を制作
制作:株式会社フェアーウインド イラスト:松原健治氏 デザイン:竹内澄博氏 CL : 大広京都
2001年〜2009年

京都嵯峨芸術大学:C.W.ニコル氏「観光デザイン」巻頭特集対談 大覚寺 大沢池茶室「望雲亭」 CL : NISSHA

京都嵯峨芸術大学案内制作:株式会社フェアーウインド  デザイン:竹内澄博氏 写真:東祥司氏  巻頭特集対談:ホンダ技術研究所ラージプロジェクトリーダー野口牧人氏   大本山・大覚寺 CL : 京都嵯峨芸術大学

京都嵯峨芸術大学案内制作:株式会社フェアーウインド デザイン:竹内澄博氏 写真:東祥司氏  巻頭特集対談 写真家 白川義員氏  大本山大覚寺  CL : 京都嵯峨芸術大学

その後、和紙デザイナー 堀木エリ子氏 ファションデザイナー 古野雅子氏   NPO京都海外協力協会事務局長 佐野市佳氏 西東京市市会議員 桐山ひとみ氏・・・多くの方々との対談を収録させていただいた。

Director’s  Profile  PART 4へ続く